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「…キス、するね。この手は…まぁ、演出かな。少し、我慢してね。」
そして、俺の唇に、東堂先輩の唇が触れた。
全然意味がわからなかったけれど、東堂先輩のキスはとても優しくて、俺は言われるがまま、黙ってキスを受け入れていた。
先輩は俺の唇をついばむようにキスをして、俺の唇を濡らしていった。
「…んっ…」
くすぐったい。
…そのせいか、さっきまで保健室の外から聞こえていた音のことを、すっかり忘れていた。
いきなり。
ベッドを覆っていたカーテンが。
勢いよく開けられた。
…え?
そこに立っていたのは。
目を見開いて呆然としている、大河だった。
…なんで?!
どうして、ここに大河がいるの?!
どうして、わざわざ東堂先輩は大河にキスを見せるの?!
こんなシーン見られたら…
俺、もう大河に何も言えないじゃないか…!
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