Dragon's viewpoint 11

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「僕は、ふとしたことで、龍君の想い人が分かってしまった。」 「…想い人?」 いきなりさっきの話を持ち出され、驚いて口を挟みそうになる。 「…そう。それを龍君に言いました。龍君は…その人に、想いを伝えることはできない、それが辛い、と。」 「…龍が…そんなことを…?」 「だから、僕が忘れさせてあげることにした。だって、僕は龍君のことが好きだからね。」 …そういう設定なのか…! 俺は、なんとなく東堂先輩のやっていることを理解した。 先輩は、きっと悪役になってくれているんだ。 大河は優しいから、きっとこの場から助けてくれるだろう。 東堂先輩は、それをねらっているんだ。 その後、俺が気持ちを伝えやすくするように。 東堂先輩が俺の横に腰掛ける。 俺は、少し怖がるそぶりをしてみた。 「…大河君、君には関係のないことだろう?もう、出てってくれないか?龍君は僕が送ってあげるから。」 「…ふざけるな…」 「ふざけてなどいないよ?僕は本気だからね。」 「龍があんたに怯えてるじゃねぇか!」 いきなり大河が大声を上げたから、俺は思わず身体を震わせてしまった。 …こんなにキレた大河、久々に見たから。
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