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「怯える?面白いことを言うね、大河君。」
東堂先輩は、大河がキレても驚くことはしなかった。
「君の形相の方が、よっぽど龍君を怯えさせると思うけどね。」
「…は?」
「あー、怖い怖い。」
そういうと、俺を抱きしめて頭を撫でる。
大河は東堂先輩をすごい形相で睨みつけていた。
…東堂先輩、そんな大河をキレさせて大丈夫なんだろうか…
「…大河君、僕は、龍君だけじゃない、君の想い人だって、もうわかっているんだよ。」
「なん…だ、と…?」
え…?
意外な言葉に、大河だけではなく、俺も驚いてしまった。
大河の想い人?
そんなの…
千紘さんに決まっているじゃないか…
でも、東堂先輩は気にせず続ける。
「僕はね、自慢じゃないけれど、そういうカンは鋭いんだ。」
そう言って、俺の顎に手を添えた。
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