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雑踏の中を走りながらも、俺は自分の耳を信じて進んで行く。
しかし、もしこの雑踏の中で倒れたのなら、騒ぎになっているはずだ。
俺は苛々しながら考える。
つまり、雑踏の中にはいない…?
俺はその考えにハッとして
「裏道かっ!」
チッと軽く舌打ちしてから、裏道へと走って行く。
案の定。
裏道には人通りが全く無く、誰かが倒れていてもしばらくは気付かれそうに無い。
悲鳴も、俺でなければこの通りに吸い込まれて聞こえないはずだ。
それに、案外広い。
これではたとえ悲鳴が聞こえたとしても、普通の人ならそら耳に違いないと帰ってしまうだろう。
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