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その瞬間、俺の足は見事にピタリと止まる。
目の前で、制服姿の少女が倒れていたのだ。
俺は大変だと思い、すぐに駆け寄ろうとする。
だけど。
近付くにしたがって見えてきた赤いものに、俺はヒッと後退る。
──血だ。
脇腹にナイフが刺さっていて、そこから血が流れ出ている。
ザーッと血の気が下がって、頭が真っ白になる。
「…死んで…?」
口からは、気付かずか細い呟きが漏れる。
今まで見たことの無い光景に、俺は暫し呆然としままその場に立ち尽くした。
しかし、死んでいると決まったわけではないと気付き、俺は慌てて少女に駆け寄る。
そして少女の体を膝に乗せ、脈をとった。
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