プロローグ

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──爽やかな風が吹いて、ソファーに寝ていた俺の漆黒の髪を揺らす。 穏やかな昼下がり。 寝心地の良いソファー。 疲れた体。 この3つが揃っていて、眠らない方がおかしいぐらいの睡眠日和だ。 しかも外の暑い中、この部屋の中は冷房がかかっていてかなり涼しい。 俺はその誘惑にあっさりと屈して、こうしてソファーで惰眠をむさぼっていたわけだ。 「ん──…もう食べられない…」 俺は幸せな夢に微かに頬を弛めながら、狭いソファーの上でゴロンと器用に寝返りをうつ。 そして、目の前にあった何かに抱きついた。 その感触に、俺はうっすらと意識を戻される ──あれ…何か柔らか…?? 不思議に思って目を開けると 「…………犬…」 犬がいた。
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