プロローグ

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プチッ その言葉で俺の脳の血管がキレる。 「んなこたぁ分かってるっ!!!! 何で ここに いるのかって聞いてんだ!!!」 コイツの場合、ボケてるのか天然なのか分からないからたちが悪い。 俺は苛々しながら、澪の返事を待つ。 澪は俺の言葉にポンと手を叩いて 「パトラッシュですか? そこに捨ててあって可哀想だったんで拾ってきたんです。 可愛いでしょう?」 ニコニコと笑いながら、俺の目の前の犬の頭を撫でる。 そんな澪に、俺は無情にも言い渡す。 「今すぐ捨ててこい!」 その言葉に、澪の顔が悲しげにに歪む。 俺はその顔に罪悪感をかきたてられながらも 「澪。お前は毎日この犬の世話が出来るのか? 無責任に拾ったって、傷付くのはコイツだぞ。 一緒に飼い主探してやるから」 なるべく優しく聞こえるように話す。
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