第1章

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私「てかね、工藤君がポニーテール好きって言うから、髪切りたいんだよね。」 そう言うと、優子は私の髪を自分の鼻に持って行き、「鼻毛??。」とか言い出した。 決めた。絶対切ろう。 なんか、好きって言われると、逃げちゃうんだよねぇ。しかも鼻毛って。 この日もポニーテールをしていた。 学校が終わり、ランドセルを家に置き、公園に行く。 工藤「よう!!」  私「ようー!!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・なにこの沈黙。 工藤「てかさ、お前好きな人とか居んの?」 ドキッ。原口君も優子も居るのになぜ今そんな事を聞く!? 原口君は、やけにニヤニヤしているし、工藤君は顔がトマト。 お願い優子、何も言わないでよ!! 私「いやっ、べつに。」 優子が今にも爆笑しそうに口を押さえている。 工藤「可奈、付き合って。」 えっっこのタイミング?マジ無理っす。自分、原口君が好きっす。 て言えたらいいのにね。 私「可奈、工藤くんの事、男としてじゃなくて、友達として好き。」 中学校に入って気付く事になるが、このグループはモテモテで、 告白しても振られる人が多いらしい。 工藤「・・・そっかぁ。じゃあ、これからも友達でよろしく!気が変わったら言えよ!」 私「うん!わかったぁ。」 この気まずい空気誰かどーにかしてー。 優子「てか工藤君、可奈の事好きだったんだ?。」 わぁわぁ?冷静に冷静に、この子は天然なんだから、落ち着け可奈。 工藤君の顔は完熟トマトに変わった。 私「日曜日ねー未央ちゃんと釣りに行ったとき、めっちゃ船酔いしたよー。」 優子「それもぅ聞いたしー!」 うーん言ったよー、でも聞いてー!! そんな願いも虚しく、優子は工藤君に質問攻め。 優子「可奈のどこが好きなの?どれぐらい?今も好きなの?てかいつから!?」 もーダメ、帰りたい。完熟トマトに火を通してミートソースでも作る気ですか。 美味しそうですな。塩の集団はパスタを茹でるときにお願いしますよ。 私「優子、そろそろ帰らない?」 優子「いいけどぉ、おじちゃん帰って来た?」 優子の家は山の方で、いつも遊んだあとは私の父が送っていた。 家が目の前だけではなく、駐車場まで目の前なのだ。 優子「まだ車無いよ??」 無いね。無いですね。えぇ無いですよ。 私「だねー。・・・ミンナの家ってどの辺なの?」 工藤「オレんちは可奈んちの裏!」 聞いてないし、家近いし、気まずいし。
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