第1章

4/127
前へ
/127ページ
次へ
私「はーい!」 お母さん・・・助けて・・・。 友達に、「また明日ねー。」と言い、家に帰った。 母の顔を見るなり安堵したのか大号泣。 早速、母に手首の痛みを訴えた。右手首はもう腫れてきている。 すぐ病院に連れて行かれ、診察を受ける。 診断は、右手首にヒビが入っていた。 母「痛いはずよぉ・・・。」 それから、ある程度くっ付くまでギブスをはめていた。 ジンジンとする痛みに苛立ちを覚えた。 でもその痛みを解ってくれる家族。 私はとても幸せな家庭に産まれたんだと、小学生ながらに思った。 ?焼肉屋・さっちゃん? 1ヶ月に1度は行っていた焼肉屋さんの、さっちゃん。 家から歩いて約10分。家族揃って焼肉を食べる。 父はお酒を飲みながら、最後はラーメン。 私はラーメンの汁が大好きで、父の残したラーメンの汁をいつも飲んでいた。 今の小学生では考えられないくらい、甘えん坊だった。 夜になり、私は眠たくなりだした。 父はまだお酒を飲みながらタバコを吸っている。 そして帰る時間になり、私は寝ぼけ眼で靴を履く。 ここからが作戦だ。 私「お父さん眠い?おんぶして?!」 ただ歩くのが嫌なわけではない。父におんぶしてもらいたいだけなんだ。 ハイハイと言いながら、父は毎回おんぶしてくれていた。 目をつむりながら、本当は足をピンコピンコしたいくらいに、心の中はルンルンだった。 本当に父の背中で眠ってしまうこともあった。 キョンシーを見るときも、いつも父の背中にくっ付いて見ていた。 甘えたい、ただそれだけ。 時々、父のお使いで、タバコを買いに行っていた。 当時はマイセンが220円で、消費税は3%。 230円をもらい、本屋さんで10円の大きな飴を買う。 特に裕福な家庭ではないが、愛情だけは満ち溢れていた。 部屋は姉と同じで、2段ベッドがある。姉が下で、私が上。 2段ベッドの階段を上るのも好きだけど、私はまだまだ甘えん坊。 寝るときは川の字で、左から父・私・母の順で寝ていた。 眠くなると、「お布団敷いて?。」と言って。 父と母は、私を挟んでニュースなどの会話をしていた。 その時思ったのは、芸能人って寿命短いんだなぁ、なんて。 この頃1番仲良しだった広美ちゃん。 広美ちゃんちはいわゆるお金持ち。 お父さんがパチンコ屋さんの経営をしている。 学校が終わり、広美ちゃんちに寄って遊んで帰ることもよくあった。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加