第1章

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母「今日はゴルフって言ってなかったっけ?」 私「聞いてないよ?!」 母「ごめんごめん☆あら、お父さんもまだなのね?残業かしら。」 広美ちゃんに電話して、無事に母が帰って来た事を伝えた。 それからと言うもの、ゴルフというのを忘れ何度も同じ間違いをした。 母は毎日、折りたたみ傘を持っている事も忘れ・・。 左手で自分の傘を差し、右手に母の傘を持ち、1人歩いていた。 このとき少し、ゴルフが嫌いになった。 4年生の私は、悪知恵が働くようになった。 学校に行きたくない日は、体温計をストーブの前で温めた。 ピピ、ピピ。やばっ、音とかいらないから! エラーだよ、やり直し。 ピピピピ、ピピピピ。よし、37度4分くらいが適温だ。 38度とかにしちゃうと、病院に連れて行かれる。 母「あらぁ、ホント、ちょっと熱いかもねぇ?」 ストーブの前に居たもんで。 母「どうしよう、お母さん今日仕事休もうか・・・。」 私「大丈夫!!」 母「そう?じゃあ、ちゃんと寝ときなさいよ?」 私「はーい!いってらっしゃーい!」 寝ないよー。NHKの子供番組見るんだからー。 お昼になり、お腹が空いてきた。 ラーメンを作ろう!でもどうやって? 毎日と言っていいほど、父はお酒の最後にラーメンを食べる。 それを何度か見たことがある。 お湯を沸かして麺入れて、粉みたいなの入れるだけでしょ? お湯を沸かして ↓ 泡きたよ!    ↓ 麺入れたよ    ↓ 蒸発してますよ?    ↓ 油とか入れてみた    ↓ ジューって言ってる(・。・;    ↓ お水を足してみた    ↓ ビックリ、火がスンゲ?! 換気扇に届きそうなくらい。 私は慌てて大量のお水をかけた。 無様になったラーメンは焦げ焦げ。 台所は水浸し。お昼ご飯抜きだな、今日は。 恐くなって、1人で台所に立つのは避けた。 布団の敷いてある部屋に戻り、「チッッ」って舌打ちして窓を蹴った。 「「パリンッッ(*_*)」」 うそぉ!?蹴ったって言っても、ほんの少しの力だよ!? 今日は正に、踏んだり蹴ったり。焦げたり割れたり。 すぐ母の会社に電話した。 私「寺田ですけど、お母さん居ますか?」 社員「あっ可奈ちゃん?ちょっと待ってね☆」 母「はーい、可奈?何かあったの?」 私「お母さん・・火が焦げて水蹴ったら割れた・・。」 とうとう日本語も話せなくなったのか。 もちろん母が理解できるわけない。
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