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「大丈夫に決まってんだろ!男のくせにそんな細かいこと気にすんじゃねーよ!」
「ひっ!」
「叫び声とか上げんな!あたしがイジめてるみたいじゃねーか!」
いや…
これは立派なイジメだと思います…
声には出来ない思いを心の中で呟く
「あのさ、アンタ───じゃない…。阿部、さ………」
意外だな…
僕の名前………知ってたんだ…
真面目に生きようと勉強ばっかりしてきたせいか、視力が悪くてメガネ姿の僕は、皆から『メガネくん』や『真面目くん』と呼ばれることが多く、名前で呼ばれることはほとんどない
阿部 航大(あべ こうだい)
その名前を呼ぶのは、中学からの友達である西林 大翔(にしばやし ひろと)ぐらいだ
「あ、阿部は………その、………ょ…とか、居るのか?」
「へ?」
しまった!
全然聞いてなかった
少しの間意識が他に飛んでたからか、目の前の彼女の言葉が全然聞こえていなかった
「はぁっ?あたしの言ってること、聞いてなかったのか?!」
やばい!
怒られる!
「ごっ、ごめんなさい!」
また反射的に背筋が伸びる
早く解放してほしい
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