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「だっ…だから………付き合ってるやつとか居ないんなら、その………あの…」
さっきまで威圧的だった彼女が、唇を尖らせて顔を真っ赤にしている
だけど───
「ごっ…ごめんなさい…」
僕は彼女に頭を下げた
「へっ?」
顔を上げて彼女を見ると、真っ赤な顔から一転戸惑った表情をしていた
「ぼ、僕のこと………。その…好きと言ってもらえて………すごく嬉しいんですけど、僕…君のこと何も知らないし………。え………と、そんな状態でお付き合いするとか、そんな………」
うわ…
何だろ…この罪悪感………
せっかく勇気を出して告白してくれたのに、断るってこんなに苦しいんだ…
彼女の瞳が揺れる
僕から逸らしちゃいけない
唇を噛み締め、ただジッと彼女の瞳を見つめた
「そっ…か…。分かったよ…」
ホッと息を吐く
よかっ───
「なんて言うと思うなよ!」
へ?
「知らなきゃ、これから知っていきゃいいだけの話だろ?少なくとも、あたしはアンタのこと入学してすぐからずーっと知ってた」
「え…。そ、そんなに前から?」
僕達は、この3月に高校を卒業する
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