95人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、誰にも言えなかったし、楽しいフリをしていたら、担任からは憎まれるようになったの。
『お前は大人を侮っている』
そう言われて、皆に背を向けて立たされ続けたわ。
クラスの生徒は全員、その空気に便乗したの。
三学期が終わる頃には、おかしくなっていたと思うわ。
黒板に向かって立っている時、窓から見下ろし続けた校庭の景色を、今でもぼんやり覚えているのよ。
後にそれらを忘れかけた頃、担任だった老人から葉書が届いてね。
流し読みをしたけれど、病気になったから世話しに来いだの、気になっているだの。
素直に謝れない惨めな男だと思って、葉書は直ぐに捨てたわ。
ランク付けで幼く騒ぎ、古い習慣で押さえ付け、意志が強いと煙たがる。
けれど、綺麗な女性は好き。
“それら”が。
九歳の私が男性に抱いた感想よ。
最初のコメントを投稿しよう!