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《外待雨(ほまちあめ)》
そんな私でも。
愛する人はいたの。
八歳上のその人は。
私以上に孤独で。
その冷めた姿態が気高くて。
孤高に輝いていたの。
人を容易に寄せ付けない。
けれど一度、羽の下に受け容れた相手だけは、見放さない。
最後まで気に掛けてくれる。
言葉よりも何よりも。
気高い精神と温もりで、私を支えてくれたわ。
不器用な魂を抱えた人だった。
上手く呼吸が出来ず、笑う方法さえ忘れていた私に。
思わず、幸せすぎて笑うこと。
微笑みながらも涙が出ること。
愛おしいと、強く思う感情も。
哀しみも苦しみも。
焦げるような嫉妬も、醜ささえも。
全てを始めから教えてくれたの。
その人は、私を創ったの。
私の全てだった。
──私だけの、“美しい神様”
私は、のめり込んだわ。
周りの誰よりもその人だけを求めた。
自分自身よりも、欲しいと思えた。
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