雨に打たれて這いつくばれば

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◇──── ◆── 《驟雨(しゅうう) 》  ……そうね。 まずは私がどんな子供だったかを言わなければならないわ。  私の人生は、最初の十年間で決まってしまったの。 良くも悪くも、その時までに、私の全てが形成されたのだと思うわ。  幼稚園までは穏やかだったのよ。 ほんわかしていて、人見知り。 大人しいし、手がかからない。  小学生になったら突然、権謀術数や無言の世界に包まれたわ。  クラスの男子が、女子のランク付けなどという、下らないものを行ったせい。 皆、誘い合って私から離れていったの。  ……けれども、ほら。 気位だけは高いものだから、心配されるのは嫌だったの。  もともとは子供らしかったはずなのだけれど、考え方は大人びていたし、私の落ち着きは貫禄にも見えたそうよ。
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