95人が本棚に入れています
本棚に追加
そのような私が覚えたものは、
『嘘をつくこと』
身を守るの。
自分で自分の身を守る。
その為の嘘よ。
嘘をつかなければ、もっと暗黒な空気へと、陥る羽目になっていたわ。
それに、無視してあげているのは私の方、だとか。
同じレベルに下がるなど、愚かな自分は許せない、だとか。
そう思ってもいたの。
誰にも興味がないことを、私が証明しただけでは、足りないこともあったわ。
嘘は、私の周りを少しでも円滑にする為に、必要だったの。
以降、私の口からは、人を欺くための嘘が流れ続けたわ。
でも。
自分自身に嘘はつかなかった。
自分を騙すことなんてできないと、本能で知っていたからよ。
──“反省はしても後悔はしない”
それが私のポリシーになったわ。
私自身さえ、騙さなければ良いの。
私だけの規則。
最初のコメントを投稿しよう!