雨に打たれて這いつくばれば

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 私を産み育てた場所の人々は厳しくて、弱い人間は弱い方が悪いのだと考えていたわ。  正しくて、綺麗事すぎて。 嫌味を通り越す、正統派の温床よ。  お陰で、正しいだけの人間など、見下すようになっていったの。 彼等が良かれと思う事柄は、私に苦痛しか与えないんですもの。  何より、そんな価値観は薄ら寒くて、面白くないわ。 なんて下らない人種なのかしら。 心の底から、そう思ったのよ。  私の一族は歴史の中で、同族結婚を繰り返していてね。 ほら、下にいけばいくほど、血が濃くなるでしょう? 煮詰まった血縁関係が、特殊な子供を出してしまうのは必然。
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