雨に打たれて這いつくばれば

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 私は同族結婚で最後の年下なの。 男子が生まれず、途絶えたのよ。 隠されていたこのことを暴いた時。 狂気を秘めていても良いのだとわかって、少し安心したわ。  無駄に血液関係が弱いのだけれど、原因は全身検査しても不明なの。 ええ、それこそ精密検査と呼ばれるものは、全て受け尽くしたのよ。 でも、いつも勝手に悪化して、勝手にそれなりに治まるの。  だからかしら。 最初から長く生きようだなんて、思うこともなかったわ。  愚かな田舎者の一族のツケを、私が払うことになるというのは、合点がいかなかったけれどね。  その事柄も手伝ったのか、季節行事や宿泊行事も、嫌だったわ。 集団がどうしても好きになれないの。 この後も、ずっとね。
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