第1章

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その神々しいオトコは、何故だか神々しさとかけ離れた二匹の獣を連れていた。 一匹は牝犬。まさにビ○チ。 すごい感じ悪いの、人(鳥)を見下したような目付きがホントに嫌だわ。 もう一匹は雄猿。まさにエ○吉。 『万年発情期か?恥を知れ恥を!!』と小一時間説教したくなるような赤いお尻。 なぜっ? なぜなの?! なぜこんな素敵なオトコが、本気の獣を連れているの? こんなの連れてたら、貞操の危機よ? ダメよ、危ないわっ!! アタシの心配をよそに、彼はアタシをうっとり眺めてこう言ったの。 「君は……綺麗な雉だね」 アタシの(少ない)脳を包み込むような優しく妖しい声。 それはもう、アタシを捉えて離さない呪文のように響いた。  やっぱり出来るオトコは違うっ!!  アタシの真価を解ってる!! ぼとりと瓶が落ち、蓋が開いて、捕らわれていた虫たちが命拾いをしたと一目散に駆け出す。 それを目に写すこともなく、アタシは距離の空いた位置に立つオトコを見つめ続けた。 簡単に人間なんか信じちゃダメ……なんのこと? そんなの言った覚えはないわ。 アタシを見つめ返すオトコの瞳がやけに熱っぽい。 目が、そらせない。 このオトコは、今確実にアタシを求めてる!! ううん。解ってた、これは運命。 種族の違いなどものともしない深き愛と絆が、アタシとあなたにはあるんだって。 アタシの全身全霊をかけて、あなたをお守り致します!! (あの二匹の獣から) あなたのお側にいつまでもいさせてほしい、 そして出来るなら……  抱 い て っ !!!
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