第1章

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神々しいオトコは小脇にぶら下げた巾着から、丸っこい何かを取り出すと、手のひらに乗せてアタシに差し出した。 「怖くないよ、こっちにおいで」 『怖くないよ、僕の隣においで』(脳内変換中) 「そんな虫よりこの団子は美味しいよ」 『そんな虫より僕の○○は美味しいよ』(激しく変換中) 「僕の仲間になって」 『僕の番(つがい)になって』(都合よく変換中)  い た だ き ま す アタシはととととっと彼に近付いた。 差し出されたそれは、なんだか虫にも劣らない禍々しい色をしていたけれど。 薬膳のような香りもするけれど。 アタシには光輝く宝石のようにも見えたわけ。 嘴にくわえた。 ピリリと刺激的な何かを感じる。 ○ッチと○テ吉がじっと見ている。 そんな見られたら食べづらいじゃない。 それに……アタシが食べるにはちょっと大きすぎる。 アタシはそれを汚さないように空いた瓶に入れ、嘴の先で半分に割って、何度か食んだ。 ゴクリ。 飲み込もうとしてるのはアタシなのに、アタシをガン見している犬と猿が音を立てて唾を飲み込む。 なんなのかしら、変なやつら。 ああ、羨ましいのね、きっと。 アタシは噛んでも噛んでも小さくならないそれを、コクリと飲み下した。
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