aoi side 1

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家に帰るととりあえず黒猫をバスタオルにくるんで、お風呂にお湯を張った。 雨で濡れた髪をタオルで拭いて、着替えると、ティーバッグをマグカップに放り込んで、ポットからお湯を注いだ。 あったかい・・・。 湯気の立つマグカップを両手で包み込むと大きなため息が出た。 目の前が少しだけ霞む。 不意に足元にふわりと何かが当たった。 驚いてそちらを見るといつの間にかバスタオルを抜け出した黒猫が私の足に寄り添って丸くなっていた。 独りじゃなくてよかった。 黒猫の小さな丸い頭を撫でたら、涙が溢れてきた。 黒猫が琥珀色の瞳で不思議そうに私を見ていた。
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