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雪の女王が居る世界がある。
私とカイはその世界に生きている。
私たちはいつもは手を繋いで、御花畑を歩いたり、秘密を作って遊んでる。
我が儘な私はカイといっぱい喧嘩もしたけど凄く楽しい日々を送っていた。
今年も冬が来た。
だけど今年の冬は何時もと違う。
冬はどんどん太陽の熱を奪い、木々や建物にこびりついた雪は世界を凍らせてしまった。
世界が凍り、食べ物も無くなりそうなの。
貧しい家で過ごしていたからお金もなくて、飼ってた山羊も売ってしまったの。残されたのは今にも吹き飛ばされそうなボロ屋だけ。それでも私はカイとの生活が楽しかった。
その日もカイと一緒に森へ食べ物を探しに出掛けたわ。真冬になると本当に何も無くなってしまうから動ける時に食物を探して雪山を二人で歩くの。
獣道に差し掛かったときだった。
カイが私を罵って突き飛ばす。尻餅をついた私が見たのは真っ赤に染まったカイの赤い瞳だった。
カイから笑顔が消えちゃった。
さっきまで話をしていたのにカイは私に振り向こうとはしなかった。
私、カイに嫌われるようとしたのかな。なにか悪いことしたなら謝るよ。だから笑ってよ。なにか言って。
けれどカイに私の言葉は届かなかった。
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