1 始まり

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困っていると大きなクラムボンが川沿いを転がってきたの。 クラムボンは、温暖化現象が生み出した妖精なの。シャボン玉みたいな透明な泡で、時々、色を変化させて人々の邪魔をする。 雪の女王とは一触即発の仲だと言うわ。 研究中だからその能力は不明なの。いきなり爆発するかもね。分裂したりとやりたい放題。それがクラムボン。 ところで、クラムボンが私を追いかけてくる。な、なんで?―――私は、全力で走った。なのにクラムボンは私の背後を尾行する。 助けて、カイ! だけど祈りは無駄だった。私は逃げ切れずにクラムボンに取り込まれてしまったの。 クラムボンは、私を取り込んでぷかぷかと風に任せて進んだわ。下方に見える景色が滲む。私、一体どうなっちゃうの。
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