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クラムボンが情報をくれた。
私は街に吐き出されたの。その頃には私の神経も磨り減って、カイのことしか考えられなくなっていた。
カイがこの街に居る。私は街をさ迷って道端に倒れてしまったの。
また涙が溢れてきた。ここで諦めたらカイに会えなくなってしまう。
私は誰彼構わず泣きながら話をした。
「女王に会わせてください。カイのことを知っているはずです。カイを探しているんです!」
「大丈夫? 部屋を貸してあげるから休んでいくといい」
優しい声が私を部屋に案内してくれた。彼が――アンブローズが、女王に話を通してくれるというの。
私は女王との謁見を待つことしかできなかった。
このまま女王が会ってくれなかったらどうしよう。
カイに会いたい。
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