終わりの始まり

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ああ、ジャンプ……。 読もうとしていたのに、もう読めないと思うと無性に読みたくなってしまうこの現象。 いっそ地縛霊にでもなってやろうか。 そんな事を考えていた時、 『生きたいか』 声が響いた。 この空間に響いたのかも知れないし、俺の頭に直接響いたようにも聞こえた。 『人生とは儘ならぬ。どんなに年を重ねても、一人の力など微々たるものよ。時には時代の流れや世界の渦に巻き込まれ、大事なものを奪われるだろう。 ――分かりやすく言えば、日本でも少子高齢化が深刻であろう。直に年金制度も破綻する。それでも金を納める為に働かねばならぬ。 有給休暇も使えぬ会社がほとんどで休日出勤は当たり前、過労で死ぬ者もおる。何故生まれてきたのか後悔する者も多かろう。 そ ん な 世界で生を望むか』 このまま死にたくなった。 無駄に説得力のある言葉だった。
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