テーブルの下

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親しげに私を名前で呼んできたのは、同期の仲野君だ。 彼も新人のころ、弥生と一緒に研修先でしごかれた仲間だ。 「この前話したインディーズのCD、見つけたんだよ。今度持ってくるから聴いてみる?」 「え、ほんと? うん!」 私は日本のインディーズ系バンドの音楽に目がない。 「この次の週末とか、暇?」 「えっと、」 どう答えよう。さすがにオフで会うのはまずいよね、、、 「俺んちには彼らのCDが5年前くらいのからあるぜ」 「え、すごー、、、あつっ!」 「どうした、舌やけどした?」 いや今は何も口に入れてません。 うっかりテーブルの下に置いたままだった右手をつねられた。 今回も犯人はもちろんわかってるよ、、、。
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