テーブルの下

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バッグに添えていた右手を掴まれた! 犯人は言わずともわかっている。 思わず右を見たが、祥は今度は違う男性と仕事の話で盛り上がっていた。 漏れ聞こえる内容から判断して、今回の出張の話をしているみたい。 なのに、なんと彼の指が私の右手の親指の付け根あたりをさすりだした。 、、、何してんの。 なんでこんな器用にマルチタスクができるんだ、この人は。 と思っていたら、彼の指が私の右の手のひらを散歩し始めた。 祥の指先が私の手のひらのあちこちを、触れるか触れないかの微かなタッチでゆっくりと撫でていく。 親指の付け根から手首へ、すーっと。 次はひとさし指の付け根から手首へ、すーっ。 次は中指の付け根から手首へ、、、。 次は薬指の付け根から、、、。 次は、、、。 や、やだ、、、 なんか、気持ちイイ、、、 あ、、、ん、、、 あ、、、 「、、、奈?」 、、、? 「りーなっ!?」 えっ?
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