テーブルの下

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弥生に左腕を掴まれた。 「あんた大丈夫? 何ぼけっと明後日の方向見てんの?」 えっ、ええっ!? 「なんか目が潤んでるよ、里奈。ビール1杯も飲んでないのにもう酔ったの?」 いや、えーと、えーと!! 遠ざかっていた店のざわめきが、急に耳に入りだした。 い、いかんいかん、私ったら!! 同期の皆が集まっている居酒屋のテーブルで、何一人でトリップしそうになっているんだ!! 恥ずかしさに耳元までかあーっと熱が溜まってくる。 それもこれもこいつが ------!! 今度ははっきりと右を見て、右手を引っこ抜き、祥を睨んでやろうと思ったが、彼はまだ仕事の話をしている。 し、信じられん、、、。 もう。このお返しはいつかきっと、、、 「りーなーちゃん!」
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