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彼の首筋に顔を寄せて。
深く息を吸い込んだ。
ーーーやっぱり甘い。
「またやってる」
クスクスと、くすぐったそうに首をすくめながら笑う彼。
「だっていい匂いなんだもん」
ちょっと頬を膨らませながら、甘えた声でそう言って。
彼に抱きつきながら、鼻先を首筋へと埋めた。
すると、グイッと身体ごと引き上げられて。
目の前には大好きなチョコレート色の瞳が、艶のある光を宿していた。
「それ、煽ってるようにしか思えないよ」
そう言って、彼の手はスルリと私の身体をなぞった。
ピクリと反応する私を見て、彼の瞳が艶を増す。
するとそれに比例するように、彼が発する甘い香りが強さを増した。
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