Christmas White

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 放っておくこともできた。救急車でも呼んで、男はそのままに立ち去ることも。  しかし俺は、男を抱き上げエレベーターのボタンを押した。一つずつ昇っていく赤い階数表示を見上げながら、再びため息をつく。  あんなに苦しい想いをしたのに、また、あの時と同じことをしようとしている。  ほんの一週間。決して消し去ることのできないソラとの愛しい記憶が、未だに俺を苦しめる。  俺は、自分の胸に体を預ける男の顔を再び見下ろした。  男はどこか、ソラに似ていた。
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