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「あっ!それ!それならオレに名案があるぞ!」
ふざけて手を挙げると、
「はい、夏目くん」
と先生のように返された。
太宰…お前…真面目な顔してちょっとノリいいよな。
そういうのオレは好きだぞ。
…言わないけど。
「二人とも、放課後暇だろ?佐野ちゃんとこ冷やかしに行こうぜー?」
あれ、心なしか冷たい風が吹いているような気がする。
芥川はともかく太宰に至っては、物凄く冷めた視線を隠すこと無くビシバシ送ってきている。
あれ、何かマズかった?
「お前…テスト前に暇ってことは無いだろうが。部活だって休みになるんだぞ。試験勉強するだろ、普通。まあ、お前の脳味噌じゃ今からやっても大した結果は出ないだろうが…やらないよりかはいいだろうが」
太宰が一気に喋ると、さらに凍えるような視線を送ってくる。
「え、そういうもん?オレ、テスト勉強しないしあんま考えてなかったわ。ごめんな、暇なオレと一緒にしちまって」
その瞬間、周りの空気が凍ったのを感じた。
やべ、オレ地雷踏んだっぽい。
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