第1章

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ため息をつくオレと、窓に顔を向けたままの太宰を交互に見やると、芥川は困ったように笑った。 それから、仕方ないね、と呟くと、オレに向かって話し始める。 「夏目は、アキが何で怒ったのか分かる?」 いえ、全く分かりません。 「アキはね、夏目が心配なんだよ。夏目、毎日遅刻してるだろ?その上、テストの結果が悪くて、赤点なんて取ったら、どうなると思う?」 え?どうなんの? 「三年に進級出来ないって事もあり得るよ?」 ま、マジですか…。 「お前、せめて試験前くらい勉強しろよ。分からないところは俺と芥川で教えてやるから」 窓を向いたままの太宰が、ボソボソと呟いている。 おお!兄ちゃん!分かったよオレ! これが、リアルでれってやつだな! 真っ赤な太宰をちょっと可愛いとか思ったのは、内緒だ。
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