第2章

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結局、放課後は芥川達に勉強を教えて貰うことになった。 あの二人は頭が良くて学年でも上位グループだから、オレのせいで足を引っ張ったら申し訳ないしって断ったんだけど、 「ふん。お前が遠慮する日が来るとはな。安心しろ、俺達はお前と違って普段から勉強しているからな。試験前に慌てるどっかの馬鹿とは違うんだよ」 って太宰に馬鹿にされたから、もう断る気も失せた。 いや、オレ慌ててすら無かったよね? もう二人が良いって言うんだから、ここは甘えておこう。 オレ、いい親友を持ったよな。 二人の気持ちが嬉しかった。 寮からの帰り道に、大好きなパン屋がある。 いつもは朝にしか来ないから、何だか変な感じ。 この店は学校と学生寮の間にある、商店街の一角に位置する。 ちなみに、オレの住んでるアパートは、学校の向こう側。 だから毎朝学校を素通りして、パン屋に通ってる。 うん、そりゃ遅刻するよね。 この場所は昔からパン屋だったけど、今の店とは雰囲気が違う、親しみやすい『街のパン屋さん』だった。 子供の頃は大好きだったな。 おじさんが一人でやっていて、いつもオマケしてくれたっけ。 あの頃は、お腹を空かせた部活帰りの兄ちゃんとよく夕方にパンを買いに来ていた。 懐かしいなぁ~。おじさん、元気にしてるかな。
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