第2章

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どこかでまたパン屋をやっているといいなと思う。 おじさんはある日突然店を畳むと言い出して、本当に突然辞めてしまった。 貼り紙を見てショックで泣き出したオレに、沢山のメロンパンをくれたんだ。 今まで食べたメロンパンの中で、一番美味いメロンパンだったな。 あれ、また食べたいなぁ。 それから何年かは空き店舗のままで、オレが高校に入学した年に今の店がオープンした。 もしかしたらまたおじさんに会えるかもと期待したけれど、お店におじさんの姿は無くて、代わりに綺麗なお姉さんが接客してくれるようになった。 そうだ、みゆきさんまだお店に居るかな。 今朝のメロンパンもすげえ美味しかったって、お礼に行こうかな。 ついでに、久しぶりに兄ちゃんにパンのお土産買って帰ろう。 でも、今の店のパン、兄ちゃん好きかな…。お洒落とは程遠い人だからな。 ビックリするかもな。 本当はメロンパンを買って帰りたいけど、あれは朝には売り切れるから、兄ちゃんはまだ食べたこと無いんだよな。 一度は食べさせてやりたいんだけど。 オレ、朝弱いからな。 兄ちゃんが休みの日に、早起き出来た試しが無い。 うう、ダメな弟でごめんな兄ちゃん。
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