第1章

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教室の扉を開けると、黒板に向かっていた担任教諭と目が合った。 「おはよう夏目。早く席につけ。知っていると思うが、今は授業中だ」 「おはようございマース。やだな、知ってるよ先生~!そんなことよりさぁ、今日のメロンパンもすっげぇ美味かったんだよ~!!オレ、世界はメロンパンで平和になると思う!」 「はぁ。馬鹿なこと言ってないで、早く席につきなさい。授業再開するぞ」 「あ!そうだマツキヨ、今日のこだわりメロンパン当ててよ!当てられたら、オレ明日は遅刻しないよ?」 「なに?本当か!言ったな夏目!明日は遅刻せずに学校来いよ?それから、マツキヨじゃなくて先生だ」 担任のマツキヨこと松本 清先生は独身27歳の現国教諭だ。 彼女募集中らしい。 何でそんな事を知っているのかと言えば、一年の時にホームルームで自己紹介していたから。 オレの遅刻にもうるさく言わないし、ノリのいい優しい先生だと思う。 友人の太宰に言わせると、 「お前には何を言っても無駄だから、諦めているだけだろ」 らしい。 そうかな? 優しいと思うんだけどな。 「お前、メロンパンバカだし」 おい。最後のは余計だろ。
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