第1章

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席に着きながら、両隣の友人達に片手を上げて挨拶する。 黒板に向かって左側に先ほどの太宰 陽(あき)、右は芥川 龍介だ。 二人とも、オレの大事な親友だ。 恥ずかしいから、もちろん二人にそんなことは言わないけれど。 「で?今日のこだわりメロンパンは?」 期待を込めた目でマツキヨを見つめると、ニヤリと確信を持ったような顔。 あれ? マツキヨにしては珍しく自信満々だな。 「答えはズバリ!『森の優ちゃんスペシャル 生クリームバージョン』だ!!」 どうだと言わんばかりの得意げな笑顔。 心なしか、クラスのみんなもニヤニヤしている気がする。 うーん。 どうしようかな。 期待に応えて、溜めるべきかな。 いや、ここは一刀両断でぶった斬りだろ。 「はい、残念ー!今日のこだわりメロンパンは、『生クリームバージョンinマンゴー』だっ!!」 間髪入れずに答えてやると、 「マジかーーー!!」 マツキヨは教卓に崩れ落ちていた。 うん。 先生、ノリ良すぎだよな。
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