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チラリと太宰を横目で見る。
やっぱりな。
太宰は手元にある本から顔をあげずに毒を吐いたようだ。
つか、何で見てないのにわかるかな。
太宰よ、お前は一体何者だ。
くだらないことを考えていたら、今度は右側からぬっと長い腕が伸びてきた。
「おわっ!いたた、痛いよ、芥川~。何すんだよ~」
ゴシゴシと口元を擦られる。
「夏目、口元にクリームついてたぞ」
クリーム?
クリームって!!
「うえぇぇ~マジかよ~。マツキヨずりーよ。何でみんな黙ってるんだよ~」
不貞腐れてブーブー言っていたら、太宰がやっとこちらを向いてニヤニヤしてきた。
おい、お前その顔はダメだろ。
せっかくの綺麗な顔が台無しになってますよー?
本人に言うとキレるから、言わないけど。
「おおかた、マツキヨすげー!!とか思っていたんだろうが、お前が教室に入って来た時から全員気が付いていたぞ」
な、なんだと!?
太宰のくせにいつまでもニヤニヤしやがって!
こっちだって、綺麗なお顔が台無しですよーって言ってやるんだからな!
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