最後の恋番外編:お医者さんごっこ(太郎目線)

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 夕飯を黙々と食べている、ちょっと疲れ気味の恋人に、面白いことを提案してみようと口を開いてみる。 「なぁ立場、逆転してみない?」  俺の言葉を聞き、うげっΣ(・ ̄□ ̄!) なぁんて顔をしたと思ったら、わざわざ傍にやって来て、額に手を当ててくる始末。   「ちょっ、何のチェックしてんだよ。タケシ先生」 「お前がワケの分からない日本語を、口走ったからだ。心配するに決まってるだろ」  はーっとため息をつき、胸の前に腕を組んで呆れた視線で見下ろしてきた。  そんな失礼な態度に、唇を尖らせて文句を吐いてやる。 「ワケの分からない日本語なんて、言ってねぇし。ただちょーっとばかし、息抜きしたいんだってば」  俺の息抜きと一緒にタケシ先生にも息抜きさせてやろうと、思いやりをもって提案しているあげてるのに、┐(・ ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~なぁんて顔をした。  だけど負けないように俺は、右手人差し指を立て必死に提案! 「あのさタケシ先生が患者になって、俺が医者になるんだ。優しく診てあげるから、やってみようよ」 「(;゚д゚)。oO(ぇ・・・)」 「たまにはさー、患者側の目線から医者を見るっていうのも、大事だと思うんだよね」  だのに思いっきりケッという表情を浮かべ、何も言わずに席に戻り、夕飯の続きを食べる。
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