120人が本棚に入れています
本棚に追加
「着ないで……」
「は――!?」
お願いした声を掻き消すような、怒った声のタケシ先生。
「その……せっかく脱いだんだし、さ。お医者さんごっこは止めて、恋人ごっごしようよ」
自分なりに一生懸命、キモチを伝えたのに。
「やらないよ、そんなもん」
鼻で笑いながら、華麗に一蹴されてしまった。(ノД`)シクシク
「うわっぷ! なっ、何っ!?」
なのにシャツを脱いで、俺の頭にバサッとかける。
「恋人なのにどうしてごっご遊びを、わざわざしなきゃならないんだ。
そっちのほうが可笑しいだろ」
タケシ先生のぬくもりを感じるシャツを手に取りながら、声のするほうを窺い見たら、リビングの扉に手をかけていた。
「ごっこじゃないことするなら、付き合ってやるよ」
艶っぽい笑みを浮かべ、キレイな上半身をこれでもかと見せつけてから、出て行く後ろ姿に俺はもう――
「ごっこなんてしませんっ! 是非ともお付き合いしてくださいっ!!」
手にしたシャツを抱きしめながら、必死になって大声で叫ぶ。
久しぶりに誘ってくれたタケシ先生の言葉を、ぎゅっと噛みしめながら、急いで後を追ったのでした。
めでたし めでたし((´∀`))
最初のコメントを投稿しよう!