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「なぁ、周防にあげるクリスマスプレゼントは、用意してあるのか?」
「勿論、用意してるよ。何てったって、初めてのクリスマスなんだからさ」
計算を解いてる手を止めニッコリ微笑んでみせたら、意味深な笑みを浮かべた。
「太郎のクセに張り切っちゃって、コノヤロ! 何をあげるんだ?」
右手に拳を作って、頭をグリグリしてくる。
「タケシ先生が子どもを診察しているときの、微笑ましい様子を描いてみたんだ。勉強の息抜きにもなって、一石二鳥さ」
「へぇ、見事に被ったな。俺も涼一の絵を描いてるんだ」
桃瀬の言葉に、一瞬だけ顔が引きつってしまった。破壊力満載のあのイラストをプレゼントされる、小田桐先生の気持ちを考えると、かなぁり複雑である。
「まだ色を塗ってる、途中なんだけどさ」
ウキウキしながら、それを見せてくれた。
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