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――おいおい、一体何を考えてこんなの、プレゼントしてくれたんだ――
クリスマスイブだろうが盆暮れ正月だろうが、平日なら関係なく病院を開けていた本日。
無事にいつもの時間にベテラン看護師の村上さんが、後片付けをしてくれた上に美味しそうなご馳走を、わざわざテーブルにセットしてから帰ってくれた。
小さなクリスマスケーキを前にして、ちょっとだけ緊張した顔の太郎が、いそいそとプレゼントを差し出してくれる。
それを受け取ってから、傍に立てかけておいた大きな包みを引っ張って、ほらよと手渡してやった。
「何が入ってるのかな、うひひひ……」
なぁんて言いながらサル顔をデレデレさせて、渡してやった包みを、いそいそと開ける。
「わっ、超カッコイイ!! ありがとタケシ先生」
俺の好きなブランド物を一緒に着てみたいと言って、デートしに行った店の洋服。このときは、自分の小遣いで買うと言い張った。
その結果、ラフなシャツしか買えなかった太郎に、そのシャツに似合いそうなコーデを考え、ジャケットとパンツをクリスマスのプレゼントにしてみたのだ。
色違いのお揃いを買ったなんて、口が裂けても言えない――
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