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目の前で喜んでジャケットを着込む姿に、嬉しくなって笑みを浮かべた。俯いてそれを隠すと膝に置いてある、太郎からのプレゼントが目に入る。
俺も開けてやり、有り難うを言わなければな――
リボンがお洒落に巻いてある箱に手をかけて、紐解いてからゆっくりと蓋を開けてみた。
その中にはハガキの大きさの紙の中に、俺と患者さんの笑顔が水彩タッチで、ほのぼのと描かれているイラスト。
胸の中が、きゅっと鳴った。太郎の……いや、歩の目に映る俺って、こんな顔してるんだ。
どんな顔していいか分からず、上目遣いで目の前の恋人を見たら、
"p(-x-〃) イジイジ
なぁんて、ちょっといじけたサル顔を見せた。
きっと俺が何も言わないものだから、気に入らないとでも思ったのだろう。相変わらず、面倒くさいヤツ――
「よく描けてるじゃないか。嬉しいよ歩」
俺にしたら褒めてやった言葉だというのに、まだ物足りなそうな表情を浮かべる。
ワケが分からず眉根を寄せたら、視線を逸らしながら、
「プレゼント、その絵だけじゃないから。箱の中にある厚紙をどけると、もうひとつのプレゼント出てくる……」
歯切れの悪そうな感じで教えてくれたことに、イヤな予感がしまくった。隠し事をした時に限って、こういう態度をとっるからな。
とりあえず呼吸を整えてから厚紙を横にどけて、白い洋服みたいなものを、目の前に広げてみた。
パッと見、ただの白衣だと思ったのに――
「何だ、コリャ(・ ̄□||||!!」
驚くのも無理はない。だって背中にキュートな羽のついた、超ミニ丈のナース服だったのだから!
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