第1章

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 アンジェリーナはまず順吉を疑った。ヴィーカは美人でやさしい。胸も小さいがはっきりあるし、お尻も女の子らしい形になっている。男がヴィーカを選ぶのは当然であるように思われた。女らしい嫉妬でもあった。しかし、ヴィーカは順吉を知らないし、順吉がヴィーカと知り合う機会もなさそうだった。もしかしたらこれはヴィーカの自作自演かともアンジェリーナは考えたけれど、ヴィーカは正直な子であり、計略を思いついたりしない子だと、アンジェリーナはこの考えも取り下げた。  アンジェリーナがヴィーカに、どんな男だったのかよく教えて欲しいと言うと、そんな話もうしないでと怒られた。  アンジェリーナは困った挙句、陽一に全部を話してしまった。陽一は秀哉とつるんでいるが、とても頭の良い、メガネをかけたおとなしめの男子だった。そしてどうやらアンジェリーナが好きらしい。人の来ない体育器具室の裏に、夕方アンジェリーナは陽一を呼んだ。二人は並んで座り、裸の肩が触れていた。
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