無口なチョコレート屋さん

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 雪が降る森の奥深くに、一軒のお店があります。  ショコラトリー『白雪』。  こじんまりとした白い外観のお店は、きらきら、と銀色にも光る雪に埋もれた森の中に、ぽつん、とあります。 私はウエイトレスとしてこのお店で働いています。 お店とは違い、私は黒いワンピース、黒いエプロンを腰に巻いています。 もう一人の従業員は黒いシャツにズボン、黒いエプロンを腰に巻いています。 その人は男の人で、この店のマスターです。 お店の名前と同じ、白雪さんといいます。  白雪さんは背が高くて、雪と同じ白い髪で、長い前髪で目が隠れています。 顎には短い無精ひげがあって、私より年上です。 聞いた事はないけれど、三十歳くらいだったと思います。 私は未成年です。  私達はカウンターの中でシガレットチョコレートを食べています。 カウンターテーブルは綺麗にしてしまったし、カップやお皿も磨き終わっています。
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