無口なチョコレート屋さん

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グッド、って言いたいようです。 「……似合ってます? 私」  うんうんうん、と白雪さんは止まらない赤べこみたいになってしまいました。 どうやら某魔女子さんの事が大好きのようです。  そうしていると、からんがらん、とドアベルがなりました。 お客様がご来店です。 「いらっしゃいませ」  カウンターの中から私達はお出迎えします。 着ていたポンチョを脱がれたお客様は、五つ並ぶカウンターチェアーの左から二つ目に座られました。 「こんにちは。噂を聞いて来たんだけど、本当に森の中にあるのね」  ベリーショートの可愛らしい女性のお客様は鼻を赤くして、ふふっ、と笑っています。 私はお客様にタオルと熱いお手拭きをお渡ししました。 白雪さんは取っ手が付いていないカップにお湯を注ぎ、レモンの輪切りを浮かべています。 寒い中来られるお客様には水ではなく、レモン入りの白湯をお出しするのです。
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