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  やけに周辺の音が人々の喧騒が耳につく馬が石畳を闊歩する音を聞きながら微睡むそして馬車が通り過ぎる… 『馬………ッ!? 馬ぁ!?』 飛び起き周りを見回す 『ど どぅなってる…』 目に飛び込んできたのは一昔も二昔も前のヨーロッパの田舎町 大人達が心配そぅに此方を上から覗き込む様に見遣る ふと自分の目線の高さに気が付く オカシイ… 身体へ目を落とし固まる 『…人じゃなぃ…のか?』 そんな彼を抱上げ声を掛ける30後半位の一人の女性 「ほぉら仔猫ちゃん朝御飯よぉ」 抱かれた眼下には多種多様な果実が並べられている そんな一画の机に彼を乗せ木製のスープ皿を差し出す 『今の俺は猫か…しかし何故? いや考えても解らない事は後でいぃ今は…ん?人の言葉を理解出来る?解らない事だらけだ…』 固まる彼に女性は 「あら?ミルクじゃお気に召さなかったかしら…」 言って彼女は並べられている棚から見た目無花果の果実をひとつ取り割って彼の前へ差し出しまた一言 「青果店だからお肉とかは無いのこれで我慢してね」 芳醇な甘い香りが辺りを包み鼻腔を擽る 『申し訳ない事をしたな…売り物まで…』 彼は考えるのを止めミルクも果実も残さず頂く事を心掛けた 食事を終え見上げると撫で回され 「パパに言ってあげるからずっと居ていぃのよ あの人にこんな可愛い迷仔棄てるなんて出来ないわ」 彼は正直有り難かった右も左も解らない世界に放り込まれたのだ 言葉は話せなくとも安心できる存在は何物にも変えられない
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