罰ゲームBOOK

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人生は選択の連続だと誰かが言っていた。誰だったか、芸能人だったか、歴史の人物だったか、それとも近所のおばちゃんだったか…とにかく誰かが言っていたはずだ。僕は今まで選択しないことを選択して生きてきた。なんというかまあ、流れに身をまかせるとか、成り行き任せとかいうあれだ。しかし今、僕の目の前には選択しないという選択肢を選べない状況にいた。 「罰ゲームBOOK」 そう書かれた一冊の本が僕の部屋の机に置かれていた。本というにはあまりに薄く、置かれていたというよりも、そこにあることがさも当然であるかの如く、昔からそこにあったかの様に僕の机を占拠していた。それを見つけた僕は、読むか、読まないかという選択を迫られている。普通ならここで読まないを選択するのだろうが、よく解らないモノが自分の部屋にあるというのは、とても気持ちの良いものではない。とするならば、ここは読まざるを得ないだろう。 そうして僕は罰ゲームBOOKの表紙を開いた。表紙の裏側には「罰ゲームルール」と書かれた目次のようなものがあって、上から 1.この本を使えば好きな人に罰ゲームを与えられる。 2.罰ゲームを与える時は白紙のページを開くこと。 3.罰ゲームを与える相手の顔と名前を頭に思い浮かべること。 4.一度罰ゲームを与えた相手には二度と罰ゲームを与えられない。 5.一度与えた罰ゲームは二度と他の人に与えられない。 6.罰ゲームはみんな平等に遊びましょう。 と言うものだった。なんだろう最後の六番目…みんな平等にって事は大勢で集まってやるゲームか何かなのだろうか?王様ゲームみたいな、そんな感じの新しいゲームの道具なのだろうか?それにしても悪趣味な本だな…そう思いながら次のページをめくると、そこには何も書かれていない、白紙のページが広がっていた。たったの七ページしかなかったが、全てが白紙である。何だか気味が悪かったが、怖いもの見たさで僕は、一度試しに遊んでみる事にした。ちょうどニュース番組で連続殺人事件の犯人が捕まったって言ってたっけ… テレビをつけるとちょうど殺人犯の顔と名前を公表して、どこで何が起こったかを必要ないほど執拗に説明していた。僕は白紙のページを開き殺人犯の顔と名前を思い浮かべ、罰ゲームの内容を考えた。10人もの女性を惨殺した冷酷なやつだから、それなりの罰がいい。 「今までの被害者と同じ殺され方する」
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