罰ゲームBOOK

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考えるだけタダだ、どうせこんなおもちゃじゃ何も出来ない…と思っていた。どうせ全部僕の妄想だと思っていたその時、画面の向こうでアナウンサーが顔色を全く変えずに速報を伝える。その内容は「殺人犯が留置所で被害者たちと同じ殺され方をして死んでいた」と言うものだった。 正直驚愕した。この罰ゲームBOOKは本物だかもしれない…たまたま、偶発的に事件が起きたという可能性を掻き消すためか、そうであって欲しいと思ったからか、僕は次の罰ゲームを考えていた。これはたまたまじゃ済まされないぞ!!どうくる? 「女性アナウンサーがカメラの前で服を脱ぎ始める」 するとテレビから慌てる男性アナウンサーの声が聞こえ画面を見ると、さっきまで仏頂面でニュースを読んでいた女性アナウンサーがカメラの前まで来ておもむろに服を脱ぎ始めた… 今度こそ確信した…この本は本物だ。本当に罰ゲームを執行してしまう…そうして開いたままの罰ゲームBOOKに目をやると白紙だったそのページには僕が願った罰ゲームの内容と執行された人の顔と名前が描かれていた…【白紙のページを開くこと】というルールはこういう事か… という事は、ルール5【同じ罰は与えられない】のせいでもう人を殺せないし、服を脱がせる事も出来ないはずだ。それにページの残りは8ページあと8人にしか使えない。しかし僕の頭は冷静に次の獲物と罰ゲームを考えていた。 翌日、僕は大学のゼミの教室にいた。僕を除いた19人の学生が大声で笑いあっている。何が楽しくてあんなに笑っているんだろう。いつも僕を除け者にして…僕はこのクラスでいじめられている。無視され、レジュメを回されず、輪に入れてもらえない…いつも迷惑をしている分、今日は仕返しをしてやろうと思っていた。 それでは罰ゲームを再開しよう…
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