好きな人の、好きな人

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「二重人格なんじゃないかと思うぐらい、違和感ある」 いつからこんな性格になってしまったのか。 私はちゃんと知っている。 「そういえば、楓くんって何歳なの?」 「……二十五」 「えっ大人だね!」 スーツを着ていて会社員だから、二十代だろうとは思っていたけど、まだ十七歳の私から見たら、二十五歳なんてもの凄く大人に見えてしまう。 「そっちは?高校何年生?」 「二年生」 「て事は、十七か。いいじゃん一番楽しい時期だよな」 「……楓くんが高校生の頃って、どんな感じだったの?」 「俺?普通の高校生だったけど。でも楽しかったよ。部活もやってたし」 「部活?何やってたの?あ、わかった。バスケでしょ」 「……こわ。何でわかんの」 ……直感、当たった。 「だって何かバスケっぽい顔してるもん。背高いし」 「バスケっぽい顔ってどんな顔だよ」 たまに私が言ったことに突っ込んでくる、この感じ。 このときの楓くん、凄くツボです。
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