一目惚れ

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ヤバイ。 初めてこんな近くで、生声を聞いてしまった。 「海老天そばね。で、純ちゃんは?」 「え、あ、えっと……つ、月見うどん!……ネギ抜きで」 「はいよ。2人とも、そこの席座って待ってて。出来たら席まで持って行ってあげるから」 この食堂は、食事が出て来るまでカウンターの所で待つセルフ形式のはずだけど……。 「……どうも」 彼は少し申し訳なさそうにみっちゃんに呟いて、カウンターから一番近い席に座った。 みっちゃんがくれたチャンスを、無駄にするわけにはいかない。 私も、ゆっくりと彼が座った席に近付いて、彼の右斜め前の席に座った。 本当は目の前に座りたかったけど、緊張しすぎて彼を直視できそうにないから。
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